非営利型一般社団法人への移行について
非営利型一般社団法人への移行(2012年4月1日より)について
2008年までの公益法人制度は明治時代、1898年に施行された民法に定められたもので、すでに110年が経過し、時代の流れの中で様々な欠陥が露呈していました。官庁の縦割りによる許可制度による弊害は、NPO法の成立や中間法人制度の実現で解決した部分もありましたが、主務官庁制による行政との癒着問題は指導監督基準をどんなに厳しくしても防ぐことができませんでした。2000年に起きたKSD汚職事件が契機となり、公益法人の経営透明化とそれに伴う情報の開示が強調され、2008年12月1日にいわゆる公益法人制度改革関連三法が施行されました。
この制度改革によって、それまでの社団法人はすべて2013年までの5年間の移行期間中に公益社団法人、一般社団法人、解散のいずれかを必ず選択して申請しなければならなくなりました。公益社団法人への移行はかなり厳しい制約に比して、受けられるメリットとしては「公益」の名称を使用できること、寄付者に税法上の優遇が受けられることの2点しかなく、一方、一般社団法人の主なメリットは、公益社団で課せられる公益事業目的比率、公益目的事業に係る収入基準、遊休財産額などにおける制限がないこと、認定取り消しによるリスクがないことでした。さらに一般法人は非営利型法人と営利型法人に区分され、前者は収益事業課税、後者は全所得課税となっていて、一般社団であっても、「非営利性が徹底された法人の要件」と「共益的活動を目的とする法人の要件」を満たした非営利型法人であると認められれば公益目的事業については非課税になります。
河内医師会では協議の上、非営利型一般社団法人を選択しましたが、一般社団法人への移行は、基準を満たす定款変更と「公益目的支出計画」が適正で確実に実施できると認められることが必要でした。「公益目的支出計画」とは、一般社団に移行する際、移行法人(特例民法法人)が正味財産額を基礎として算定した金額を一定期間のうちに公益目的に支出するための計画であり、この計画が終了するまで行政庁の監督を受けるというものです。つまり、これまで公益法人としてためてきたお金はすべて公益目的事業に使いなさい、使い切るまでは行政が監督します、というのがその趣旨でした。
河内医師会は2012年4月1日をもって一般社団法人に移行し、その時点より始まった公益目的支出計画は、当初の計画通りに6年間で公益目的財産額を消費し、2018年6月29日付の大阪府知事からの確認書によって公益目的支出計画を実施完了することができました。公益目的支出計画に関しては既に大阪府からの監督から外れてはおりますが、従前通り、非営利型一般社団法人として、公益に資する事業を継続していくという目的に何ら変わりはありません。河内医師会としては、これまで以上、積極的に地域医療の充実と発展、社会福祉のために貢献していく所存ですので、皆様方には今後とも当会の会務、事業へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
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